巨大企業の目指す不穏な未来とは?「GAFA-四騎士が創り変えた世界」

GAFAを”ヨハネの黙示録の4騎士”になぞらえ、「神話」の裏の本質や「罪」を明らかにする。身近な4社を読み解くことが、こんなに未来への不安をあおるとは!膨張し続けるGAFAの姿が、ビジネス書なのにSFホラーのように恐ろしい。

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

生活を激変させた”憧れの勝ち組企業”の裏は?

私たちがよく目にするGAFAの評価、例えばこんな感じ。

テクノロジー業界の四強と言えば、誰もがグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンを思い浮かべるだろう。これらの巨大企業は過去20年間、歴史上かつてないほどの喜びや人間同士のつながり、あるいは経済的の繁栄や発明を私たちにもたらしてきた。

ポケットサイズのスーパーコンピューターを作ったのも、発展途上国にインターネット網を持ち込んだも、地球の大陸と海の詳細な地図を作っているのも、これらの企業だ。これら四強企業が生み出した空前の額の富(2兆3000億ドル)は、株式を保有している世界中の何百万と言う家計を潤している。

これが表の姿。でも、例えば、アマゾンの圧倒的な市場支配について、説明されると、もはや敵なしのアマゾンが、次に何を支配するのか恐ろしくなります。

アマゾンはいまや、あなたに必要なもの全てを、あなたが必要とする前に提供している。特に世界で最も裕福な5億世帯には、商品を1時間以内に発送している。多くの企業ではこうしたインフラを自社で作るよりもアマゾンから借りた方が安くつく。そのため企業はアマゾンに使用料を払っている。アマゾンに対抗できる規模、信頼、安い資本、ロボットを持つ企業はほかにない。

これら全てを支えているのが、映画、邦楽、NFLの試合のライブストリーミングなど、あらゆる娯楽を含むアマゾン・プライムの年会費である。

アマゾンの描く未来は”巨大帝国”

著者によると、アマゾンのジェフ・ベソス氏が、最低限所得保証制度の復活などに言及しているのも、彼のビジョンが実現したら中産階級の仕事が丸ごと消滅することの現れだ、ということです。ロボットやAIが働く倉庫からあらゆるものが届けられるアマゾン帝国、店舗も物流も全てアマゾンに依存し、国民に仕事はない、そんな未来が待っている、ということでしょうか。

グーグルは神のように信頼されているが、全てを盗み聞きして収入を得ている。フェイスブックは、プラットフォームを装って金儲けを追求し、真実と嘘を判別するというメディア企業の責任を放棄している、など、どの指摘も明解で、新たな視点をふんだんに与えてくれる本著。アップルについては、彼らのラグジュアリー戦略を、わかりやすく解説してくれます。

アップルとラグジュアリー戦略

ジョブスは他の経営者が理解してなかったことを理解していた。〜他のぜいたく品と同じように売ればいいのだ。

煌びやかな神殿の中で、明るい照明のもと、店員を呼ぶと若く熱心で”才能あふれる”販売員がとんでくる。何よりもアイテムはガラスの箱の中で売る必要がある〜これが完成すれば、ほぼどんなものでもその店で売ることができるま。エレガントでスタイリッシュに包装され、もっと高い同種の商品と共通するデザインの装飾を備えていれば。

 アップルが他のテクノロジー企業にはまねできない利益を得て、ありえないほど規模を拡大できたもの、このためだ。アップルは「製品の価値が高く価格は高く、生産コストが低く」を実現した。

日本では、大手キャリアがiphoneをコモディティのように販売したせいで、本著で描かれているほどラグジュアリーな存在ではありませんが、アップルが強いのはラグジュアリーブランド戦略を徹底的に踏襲したからだ、という点、納得です。

2014年ですが、こんな記事も。

APPLE HIRES LUXURY PEOPLE 続々とAppleに合流するラグジュアリー・ブランドの面々 (WirelessWire News)

アップルウォッチの「ぜいたく品」化のために、アップルがサンローランなどの人材を採用している、ということ。とにかく、あの「アップルストア」が彼らの強さであり、他の企業がすぐには真似できない物理的な参入障壁なのです。

著者スコット・ギャロウェイ氏とは?

著者は、ニューヨーク大学ビジネススクールのマーケティング教授スコット・ギャロウェイ氏。GAFAの野望をあばいて不安を煽るだけでなく、本著後半では”この世界を生き抜くための武器”について解説してくれているのが”教育者”らしい(笑)。

 原著は2017年発刊で、状況は刻々と変わっています。著者の最新知見は講演映像などで確認できますが、例えば、下の2019年6月の講演で分かるのは、

とにかくアマゾンの勢いがすごい

そして、PR視点で気になるのは、

グーグル、FB、アマゾンが巨大メディア化、既存メディアは縮小

ということでしょうか。

ちなみに、著者の最新著は「幸せ」に関する本。不穏な未来を「見える」化した後の、アンサー本のような内容なのかな?kindleあるので読んでみます。

<参考>

ラグジュアリーブランドの成長とは?「カプフェレ教授のラグジュアリー論」(過去投稿にリンク)

書評「サルたちの狂宴(下)フェイスブック乱闘編」FBの内幕&広告テクノロジー入門(過去投稿にリンク)

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界posted with ヨメレバスコット・ギャロウェイ/渡会 圭子 東洋経済新報社 2018年07月27日 楽天ブックスAmazonKindle

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