もはや教科書!書評「経営とデザインの幸せな関係」”中川政七商店”流コンサル

広報支援するには、経営者の方とお話し、経営課題を解決するためのPRや情報発信を考えます。中小企業では、一つの打ち手が目に見える効果を生むので経営に直結するやりがいがあり、フリーになってからは、経営全般のもっと広く深い知識と経験が必要!と思い知らされる日々です。

この本も、以前投稿した「小さな会社の生きる道」も、中川政七商店を生まれ変わらせた著者が、ものづくり中小企業の事業再生コンサル現場を、非常にわかりやすく再現してあります。本当に勉強になる本です。

経営とデザインの幸せな関係

 平易な言葉とシンプルな手法で、なんだか自分でもできそう!なんて思えるモチベーションの上げ方が、さすが! 「日本の工芸を元気に!」というビジョンのもと、迷える経営者が自分たちで再現できるように、ということを非常に意識して書かれているのを感じます。教えるのが上手な方なんだろうなぁ。社内でもコンサルの現場でも、さぞ周囲のヤル気に火をつけてるんだろうなぁ。

同じ関西、奈良にいらっしゃるんだから、早いとこ、リアルに会えるチャンスをつくらなくては、、、(と思っていたら、来週、けいはんな辺りで講演ありなので、エントリーしました)

さて、備忘録的に、著者のコンサルの手順をメモメモ。

①まずは「現状把握」

コンサルティングに入るときに必ず決算書を5期分もらって読み解きます。

「いくら売っていて(売上高)、かかった経費はいくらで(売上原価、販売管理費、特に減価償却費と人件費)、いくら儲かったのか(営業利益)、そして会社にはいくらの借金があるのか(短期借入金、長期借入金)」

まずは数字の把握から。必ずパーセンテージに置き換えて、5期分見て流れをつかみ、本質を読み取るんだそうです。

また、クライアントがどのように「現状把握」してるのかを理解するために、事前ヒアリングシートが重要。強み、弱み、課題、競合についてそれぞれ3つ(1でも10でもなく3というのがしっかり考えさせるコツだそう)。理想についても言語化してもらいます。

定量的な情報は後からでも確認できるが、このような定性的な情報は変わってしまうので、始動時点の情報把握は大事。

(理想は)後にブランディングのフェーズにつながる要素なのですが、私は常々、「モノを売る」という感覚ではなく「ブランドをつくる」という感覚で仕事をしています。つまりマーケティングのように市場起点でものを考え、ここが空いているからこのポジションを攻めるとか、ターゲットを想定してものを作るといったやり方はしません。それよりも、その会社の人たちが「どうなりたいのか」を起点にするので、クライアントの思いや理想を根掘り葉掘り聞いていきます。

経営者の多くは、最初「きれいごと」を言います。「産地のために・・・」とか「日本の技術を後世に残すため・・・」とか。聞こえのよう理想を語るのは構いませんし、それも大切なことだとは思いますが、「でもそれは本心ですか?御社は赤字ですよね?そんなことよりももっと大切なことはありませんか?」というように突っ込んで聞いていくと、本当にこの瞬間に自分たちが「どうなりたいのか」が出てきます。

このあたりも、やる気出させるのが上手ですよねー。自分のなかからでた理想を起点にするって、外部の人が整理してくれないと、なかなかできないものです。関係者全員が、同じ理想を思い描きながら日々の活動をすれば、それがブランディングになっていく、という感じ。

分析のフレームワークは?

3C、4P、SWOTで十分。決算書からの疑問をぶつけたり、原価構造をしっかり理解したり、コンペティターについては、競合だけでなく、業界・地域・自分たちは一体何屋なのか、と切り口を変えて考えるのも大事。商品サイクル・廃盤サイクル・不良在庫処理・年間サイクルなど大企業では当たり前の活動をやってないことも多いそう。

②中期経営計画について

経営者の頭の中の意図をアウトプットする3〜5年間の計画書。

定性は、現状(環境、強み、意思)の先にある「どうなりたいか」のビジョン、ポジション&ゴール。定量は、決算書で見た項目について数値化。損益分岐点に注意して、黒字であればよい程度で

この後に、ブランドつくりのプラン、商品製作、コミュニケーションプランと、親切丁寧な指導が最後まで続きます、、、

こんな仕事がいつかはやりたいなー、と読んでて、色々満ちてくる一冊でした!

経営とデザインの幸せな関係posted with ヨメレバ中川淳 日経BP 2016年11月07日 楽天ブックス楽天koboAmazonKindle

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「プレイス・ブランディング」その①

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