書評「化学者が美肌コスメを選んだら」かずのすけ著

「アスタキサンチン推し」だ!ということでたどりついたのか、かずのすけさん。何作か拝読してますが、化学の先生になるべく化学を学ばれ、その知識をベースに、化学物質としての化粧品成分について一般人にわかりやすく発信、化粧品の正しい選び方を啓蒙してきた方です。大手中小問わず実際の販売品を例にとって、良い悪いを読み解いてくれ、目からウロコの内容・意見ばかり。
mixiでの発信が最初というだけあり、ブログやSNSで継続的に発信・交流されており、読者との距離が近い感じ。ですが。研究者、ビジネスマンとしても、いまや、「化粧品や美容リスクに関わる消費者認知」の博士課程に進まれ、コンサルタントとして商品開発支援、プロデュース化粧品も多数と、専門性に情報発信力が加わり、さらに専門性を深め、、、かずのすけさんの人生がどんどん変わっていく様がわかるのも、とても面白い!!

科学者が美肌コスメを選んだら/かずのすけ著

本著では、
第1章 洗う・落とす(洗顔料、クレンジングなど)
第3章 刺激から守る(化粧下地、日焼け止めなど)
・・・
とカテゴリー別に、実際の優れた美容・化粧品を例にあげ、よりよい商品を選ぶための方法や着眼点を教えてくれます。例えば、洗顔料の章では、

肌は常に肌を守るための皮脂を分泌位していて、この皮脂を皮膚常在菌が分解し、弱酸性の「脂肪酸」というものを生成します。この脂肪酸が肌の表面を覆うことで、私たちの肌は弱酸性を保っているのです。・・・

我々の体に悪さをする雑菌やウイルスが基本的にアルカリ性で、それらの雑菌が皮膚上で繁殖しにくくなるよう、肌を弱酸性に保っているのだと考えられています。・・・

肌の弱酸性はいわば天然の殺菌機能なのです。この機能を阻害しないように洗顔・スキンケアを行えば、市販の殺菌成分配合の洗顔料などは一切不要です。

ということで、おすすめは、脱脂力をわざと控えめに調整した(油分をとりすぎない)弱酸性の洗浄剤。成分名でいうと「ラウレス-5カルボン酸ナトリウム」。この成分が入った比較的安価な商品も具体的に紹介されるなど、実用性抜群の構成です。さらに、私が大好きな泡洗顔料は、“便利だけど、泡立ちをよくするために洗浄剤溶液の濃度が薄くなっている。ボトルも高コストだから割高”、とのこと。さらに、泡洗顔料について「とても目に染みる」というネットレビューが多いことについて

泡の質感をよくするために、洗浄液の粘性を増す成分を多めに配合したものが多いからです。その成分の筆頭格が「DPG(ジプロピレングリコール)」です。

肌への刺激だけでなく、目に染みる成分だそうで、子供用の泡ソープにすらDPGが入っているものがあるとか。子ども用って書いてあるだけで、低刺激と思ってはダメなんですね。

さて、私が使っている敏感肌向け「キュレル」の泡洗顔料ですが、成分はこれ。

グリチルリチン酸2K*、精製水、グリセリン、ラウロイルアスパラギン酸Na液、マルチトール、ラウリルヒドロキシスルホベタイン液、PG、PEG6000、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸Na、ステアリン酸POEソルビタン、グリセリルエチルヘキシルエーテル、水酸化カリウム液(A)、エデト酸塩、フェノキシエタノール、パラベン

うーん、本著で解説された成分はありません。でも

ラウロイルアスパラギン酸Na液 かずのすけで検索

すると、かずのすけさんブログが見事ヒット。本著で、低刺激だが洗浄力が低いと説明されていた“アミノ酸系洗浄剤”の一つ、だそうです。ブログある著者の本は、追加情報が検索できるのが、楽しいですよね〜。

キュレル泡洗顔では、汚れとれてないのかしら。

かずのすけさんの考える“よい”化粧品とは?

明快です。

重要なのは「低刺激=安全」
効果を求めるなら「肌を守る(防御)」

“防御”については

肌の表面のバリアを補強し、刺激や感想、酸化から肌を守ること

とされていて、この“酸化”から守る成分として「アスタキサンチン」を評価されています。アスタキサンチンは塗るだけでなく、ぜひ食べて飲んで、体の中から酸化を防いでほしいですけどね!!

かずのすけさんブログ「かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき」
https://ameblo.jp/rik01194

私は”コスメ情報収集癖”はないので、ブログは追いかけず、もっぱら書籍派です。こんなに知りたいことも読みたい本も多いのに、コスメブログにまで手を出したら、もう収拾つかないぞ。。。。

 

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