細胞を擬人化したお仕事マンガ。今月からアニメが始まり存在を知りました、遅れてる?遅れてる・・・。赤血球と白血球を中心に、細菌が侵入したり、擦り傷つくったり、熱中症でダウンしたりと、体の色々な異変に、細胞の皆さんが立ち向かうのですが、真面目にお仕事(=細胞の役割)に邁進すればするほど、なんだかコミカルで、細胞が愛おしくなるマンガです。上画像は2巻表紙、白血球(好中球)=白とキラーT細胞=黒!
擬人化というのは、例えば、赤血球は大切な物を運ぶ役割なので”配達員”、白血球(好中球)は、とにかく真っ先に敵と戦い、他の細胞を守る、超強いイケメン戦闘員として描かれている、などなど。白血球に”好中球””好酸球””好塩基球”がある、って、これまで何回読んでもピンときませんでしたが、寄生虫アニキサス侵入の回(2巻)を読めば、
- 好中球=細菌攻撃のメインキャラ
- 好酸球=好中球より細菌を攻撃する力は弱いが、寄生虫にめっぽう強い
- 好塩基球=レアキャラ。アレルギー反応を引き起こすが、いまだ謎多き細胞
と3種の大まかな役割がビジュアル化され、暗記できました!この説明が、現在の最新医学と合致しているのか、ということで見てみましょう。
- 好中球=白血球の約60パーセントを占め、運動性と食作用が著しく、急性炎症の場で中心的役割を果たす。(コトバンク「大辞林第3版より)
- 好酸球=アレルギー性疾患や寄生虫症などの際には増加する(コトバンク「デジタル大辞泉」より)
- 好塩基球= その数が極めて少ないことや、好塩基球を解析するための研究ツールがほとんどなかったこともあり、つい数年前まで生体内での役割・存在意義に関する研究は長い間立ち後れていました。〜好塩基球は数々の炎症反応において非常に重要な働きをしていることがようやくわかってきました。(東京医科歯科大 WEBサイト)
おお〜大体あってる。しかもビジュアル化されてるから、文献がすっと理解できる!細胞だけでなく、「くしゃみ」=細菌を外に発射するロケット、熱中症=細胞達が水不足や灼熱で苦しむなど、この作品の”比喩力”はんぱない! 異業種からヘルスケア業界に転職し、「体について細胞レベルから理解しよう」と看護士の教科書から食生活指南、論文まで乱読してきた私のここ数年のどこかで、もっと早くこのマンガと出会っていれば、もっと近道で理解できたのに、、、
ただし、「赤血球が酸素以外を運ぶなんて事実と違う!」という指摘もあるとおり、全部信じてはいけません。読み手が、文献と付き合わせる努力をすべき。でも、特に免疫系など複雑怪奇な細胞たちを、スパッとわかりやすくしてくれるのは、マンガだからこそ。です。 名作「あさきゆめみし」のおかげで、源氏物語の読解で満点が取れたことを思い出す、お役立ちマンガです。
まだアニメは2話までしかオンエアしていない。イケボ声優小野大輔氏が、キラーT細胞なのも楽しみ楽しみ。オラオラいってるだけでなく、ヒーロー的に活躍する回があるといいな〜 笑