不気味で不吉で不条理な展開、モノクロの絵、「オトナの絵本」とも言われ絶大な人気のエドワード・ゴーリーの1冊。
読書メーターでの新たな作者との出会い
読書管理アプリ「読書メーター」で、お気に入りさんの感想が気になっていたエドワード・ゴーリー。作風が不吉・不幸・不条理と苦手な単語が並んでいて、躊躇していたところ、本著は
ゴーリーなのに不幸じゃない
ゴーリーだからどんな不吉なことが起きるかドキドキしたけど、割とハッピーエンドだった
黒犬ブルーノが可愛い
とのこと。「読書メーター」は感想のシェアが軸となったサービスなので、新しい本との出会うチャンスが多くて良いですね。
傘にまつわる情景あれこれ
噂通り、なんとも不条理。”傘”への執着、傘と”雨”、傘をなくした主人、傘を探す犬、欲しい傘がない紳士、雨の中の井戸端会議、傘に囚われる子ども、様々な情景が、モノクロの絵と登場人物のセリフで重なって行き、なんとなくストーリーを作り出しています。一ページ一ページが繋がっているようで繋がらない、ちょっとずれた感じが気になって、何度も読み返してしまいました。
画と文字のバランスが完成されていて、眺めるだけでも心地いい。
我が家三歳児に読んであげたら、「この泥棒が、実はこの子供で〜だから最後に怒られたんだよ!」となんとか意味の通るお話を作り上げてて、三歳児なりの解釈を聞くのも面白かったですよ。
エドワード・ゴーリーとは?
回顧展や、雑誌の特集などで、日本では異色の絵本作家として、今でも人気が上がり続けているエドワード・ゴーリー(1925年~2000年)。独特の世界観と、モノトーンの緻密に描かれたイラストで、世界ではアーティストとして熱狂的なファンが多くいるそうです。
展覧会はまだ全国を巡回中
http://www.moe-web.jp/picturebook/EdwardGorey.html
次は不吉なゴーリー作品にもチャレンジしてみます。