書評『「腸の力」であなたは変わる

”腸内フローラ”本の元祖⁈ 2016年出版ですが、本著の内容がいまや健康への通説になりつつある、一度は読むべき本です。

 「腸の力」であなたは変わる―――一生病気にならない、脳と体が強くなる食事法 (三笠書房 電子書籍)

”腸内細菌がいかに全身の健康を支配しているか”を豊富なエビデンスで解説、読者を説得したうえで、脳と体の健康のため、腸内環境をよくする生活習慣を、具体的に提案してくれます。「いつものパンがあなたを殺す」と同じ著者なので、章ごとの展開も、患者の治療にかける情熱や誠意を感じるのも、前作と共通。本を通じて、私たち読者へも、自分の患者のように語りかけてくれる、そこがとても好感のもてる著者です。

原題は、和訳本と異なり”Brain Maker”。その名のとおり”脳を害しているのは?”を追求する所は前作からぶれないまま、”腸から脳を元気に”という視点で新エビデンスをもとに、食事だけでなく薬や化学物質など、現代生活で摂取している(せざるをえない、と思っている)ものについても言及する、より網羅的な生活改善指南になっています。

例えば、前作は、現在の食生活でのワースト2である”グルテン”と”果糖”のリスクが中心でしたが、この本では”化学物質のリスク”について、より詳細に解説しています。

次に述べるのは「腸内フローラの殺人鬼」たちだ。

・抗生物質

・ピル

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)

・遺伝子組み替え食品

・環境化学物質

では、よい腸内環境をつくる食べ物・食べ方は?ということで

  • プロバイオティクス=発酵食品。「良性の細菌を腸に植えつけることができる」
  • プレバイオティクス=繊維質の豊富な食べ物など、腸内細菌の”エサ”になるもの。
  • 炭水化物を減らし、良質の脂肪をとる
  • ワイン・紅茶・コーヒー・チョコレートを楽しむ。ポリフェノールが豊富
  • 水道水は濾過して飲む
  • 季節ごとに断食する

ことを提唱しています。水道水、がっつり飲む派なんですけど、浄水フィルターつけるべき?ですかね…

本著の出版から2年、奇しくも「anan」最新号の特集は、

anan [本気の腸活。] 2018/07/25

スッキリ変わる、するっと変わる! 本気の腸活!

食べもので変える!
ドリンク&サプリで変える!
ツボマッサージで変える!
エクササイズで変える!
生活習慣で変える!

ヨーグルトBOOK/納豆大研究!

食物繊維/脳腸相関/小腸ケア

著者の熱意が、世の中の常識を変える一助になっていると思います。


 

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