もう見られない世界の宝「消滅遺産」

写真にやられて”表紙買い”。「感傷に浸りまくりたい!」そんな(よくわからない)期待感にかられる企画本。

消滅遺産 もう見られない世界の偉大な建造物

武装勢力により爆破された大仏、なんと1500年も立ち続けていた、とは

この本を象徴する表紙写真はアフガニスタン・バーミヤンの大仏。三蔵法師も美しく装飾され金色に輝いたそのお姿を見たと言います。この大仏は2001年、ターリバーンにより、イスラムの偶像支配禁止を理由に爆破されたのです。本著には、消滅した偉大な建造物の在りし日の写真と、現在の姿を移す写真の2つが収められています。写真が残っている、ということはつい最近まで存在していた、ということ。”形あるものいつかはなくなる”というのは、世のことわりではありますが、写真が美しければ美しいほど、消滅した理由が理不尽であればあるほど、惜しむ気持ちも強くなります。

Bouddhas_de_Bâmiyân_-_Aout_2005.jpg(爆破後のバーミヤン大仏・wikipediaより)

地震・火災・ダム建設・都市開発、、、そして争い

遺跡が消滅する理由は様々です。今年の地震で、私の町内の神社でも鳥居が傾き、撤去され、慣れ親しんだ風景が変わってしまいました。都市の再開発で遺跡が発見され、その上にビルが建つなんてことも、感覚として理解できます。ですが、例えば

サハラ砂漠の伝説の黄金郷トンブクトゥがテロリストにより破壊された

チリのアタカマ砂漠の巨大地上絵がダカール・ラリーで危機

シルクロードの隊商都市バルミラ遺跡がISにより爆破

など、というケースについては、はるか遠くの地の理解不能な出来事となり、受け入れがたい気持ちが沸き起こります。その土地で起こった(起こっている)苛烈な破壊について、知識も実感も乏しいことを、この本の写真を眺めながら、実感してしまいました。

上記のバーミヤンの大仏については、このような関連本があります。

「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」(Amazon)

本のタイトルになっているこの言葉は、イランを代表する映画監督、モフセン・マフマルバフ氏が、アフガニスタンの百万人もの餓死者に対し無関心だった世界が、大仏爆破のニュースに注目し嘆いている状況についての苛立ちを表明したものだそうです。

帝国ホテル ライト館の今昔

日本からは、帝国ホテルのライト館の1958年の全景写真と、現在その中央玄関が移築されている博物館明治村の写真が掲載されていました。地盤沈下や客室数の少なさなどの理由により、1970年大阪万博の年に取り壊されたとのことですが、銀座の一等地に、低層で使い勝手の悪いホテルを残すのは難しいよね〜、と在りし日の壮大な建築の写真を見ながら納得してしまいました。

この夏はベストセラー「わけあって絶滅しました」(過去投稿リンク)も読んだし、「写真に残された絶滅動物たち最後の記録」も読みたい本リストに入ってます。消滅遺産に絶滅動物、”すでに見られないもの=未知のもの”に強烈に惹かれる、今の自分の心理状況、一体何を表しているのかしら。。。

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わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 (楽天ブックス)

 

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写真に残された絶滅動物たち最後の記録 (楽天ブックス)

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