書評「夢を喜びに変える 自超力」著:松田丈志・久世由美子

水泳の松田丈志選手と、4歳〜32歳まで松田選手を指導した久世由美子コーチの共著。

夢を喜びに変える 自超力

 

壁を突破し、成果を出すための「学び」✖「教え」

という副題通り、

  • 松田選手の競技生活での学びと発見
  • 久世コーチが指導者として大切にしてきたこと

を章ごとに交代で執筆する構成です。松田選手は小学生の時から”オリンピックで金メダル”という目標を持ち競技人生を歩んできたそうです。本著は、その長いチャレンジで得たお二人の知見を、水泳競技という枠内でなく、ビジネスにも当てはめて説く”夢=目標達成のための本”であると言えます。

ただ、それだけでなく、選手とコーチそれぞれの視点で語ることで、28年育んだ強い信頼感が本全体を満たし、”絆とはなにか”を読んでいるような、暖かな気持ちになる読後感でした。

目標達成について、本当に様々な「学び」「教え」が紹介されていますが、例えば

松田選手は、

学びのスピードが勝負を決める

という項で、ロンドン五輪の銅メダルが、金メダルと0.25秒差だった悔しさにふれ、「(成長が)間に合わなかった」と表現、目標達成のためには、

限られた時間の中で、学びのスピードを上げ、成長速度を高めことが重要

だと書いています。そして、久世コーチはこれに関連して

目標から残り時間を逆算して計画を立てる

四の五の言わずにまず動く

といった、計画する、行動させる、といった、導き手として必要なことを説いています。4年という長くて短いオリンピックまでの期間を、久世コーチが導き、松田選手が応える。選手と指導者がそれぞれの立場で同じアウトプットに向かって切磋琢磨した日常が伝わってきました。

後書きに紹介されている久世コーチの好きな言葉が、またいさぎよくてよい。それを体現している松田選手という存在が、さらに輝いてみえます。

夢なき者 理想なし

理想なき者 目標なし

目標なき者 実行なし

実行なき者 成果なし

成果なき者 喜びなし


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