書評:言葉にできるは武器になる。

日常事である「書くこと」に特別な価値を持たせ、「ビジネスライティングを商品に」を目指しています。「書くこと」についての方法論を、自分なりに言語化していきたい、ということで、「書き方本」「国語本」も、最近の読書テーマです。

まずは、電通コピーライター梅田氏の最近話題のこの本。

『「言葉にできる」は武器になる。』梅田悟司

広告コピーを書くということは、

  • 目的が明確で
  • なぜこのコピーになったかをプレゼンして
  • 広告の結果をレビューして

と、独りよがりでなくロジカルに「書くこと」を突き詰める行為のはずなので、「いい文章」でなく「目的達成のための文章」というビジネスライティングの指南書として、さすがの説得力でした。

キーワードは「人が動きたくなる言葉」

「言葉が伝わる」には

不理解・誤解

理解

納得

共鳴・共感

の4段階があり、大体は、伝わったと思っても「理解」止まり。でも「人が動きたくなる」には「納得」を超え「共鳴・共感」まで至ってこそ、というのが、この本を読み、改めて肝に命じています。

そのためには、”どう”書くか以前に、”何を”書くかを考え抜かなくてはならず、この本のユニークさは、文章テクニックでなく、深い思考の大切さを強調しているところです。

言葉が意見を伝える道具ならば、まず意見を育てる必要がある

”共鳴・共感”のように感情を動かすのは、”感情”や”志”といったエモーショナルなものである、という指摘もシンプルではありますが、実行するのは簡単ではありません。

あるインプットに対して、どういった感情をアウトプットするのか

「伝える」でも「伝わる」でもなく、その志を共有する

核となるメッセージをぶれずに発信し続けるのは、ブランド・コミュニケーションの基本です。”情報”や”事実”の先にある”志”をチームの共通認識にし、言葉にするのは、困難ですが楽しいものです。

「内なる言葉の解像度をあげる」とは?

考えたつもりになって、モヤっとしたままの思考は表面的だったり、抽象的だったりと「人が動きたくなる言葉」には到達できません。だから、考え抜く、それを著者は

解像度をあげる

と表現してます。いいですよね〜、すごくコピーライターらしい完成された言葉です。わかりやすくて、大好きになりました。どこかで使わせてもらおう!

そのための方法論は、

アウトプット・グルーピング・連想

など思考の方法、さらにプロの使う文章テクニックなどが、厳選されて、わかりやすく説明されています。

百発百中は難しいけど、確率をあげて、「人が動きたくなる」アウトプットを続けていきたい。ブログの投稿でも、「私はこう思った」を超えて、心に響く何かを表現する努力をしていきたいです。

他者の視点


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