書評「性格はどのようにして決まるのか」

新生児の出生数が年間3400人と日本で一番多い病院で、乳児健診を行う医師が執筆された本。

性格はどのようにして決まるのか: 遺伝子、環境、エピジェネティックス

遺伝子について単純化して語る、なんて無理なんだな。。。

著者は、赤ちゃんの個性について考えるのが好きで、そのワクワクを伝えたくてたまらなかったんだろう、と想像します。ワクワク+誠実さ(=正確さ)とで、本著は、書名からは想像もつかないほど専門用語満載の文章になっています。つまり、非常〜〜に難しいんです。

でも、扱うテーマはとても面白いものばかり。例えば、

  • 生まれて初めての入浴で、よく泣く赤ちゃん/泣かない赤ちゃん。どう違う?どう育つ?
  • 刺激に敏感な人と、平気な人に遺伝子的な違いはある?
  • 一卵性双生児はそっくりに育つはずなのに・・・?
  • 性格は遺伝子で決まるの?

などなど、素人の私でも興味をそそるものばかり。

ただ、これを

  • ストレス反応とエピジェネティックな調節とは?
    糖質コルチコイドレセプター遺伝子のメチル化/セロトニントランスポーター遺伝子のメチル化

みたいな調子で解説されているので、かなり難解。。。ですが、

”遺伝子”というものは、そんな簡単に単純化できるようなモノじゃないんだ!ということが腑に落ちた

こと自体が、私にとって大きな収穫でした。

例えば、身長は80~90%遺伝で決まると言われており、経験的に非常に納得できる、シンプルな話です。しかし、身長を決める遺伝子だけでも数千個以上あるのだそうです。ということは、その組み合わせたるやものすごい数であり、”この遺伝子が原因”とか”こうすれば高身長になる”といった単純な結論が出るはずはない、ということですよね〜。

エピジェネティクス、遺伝子は変わる

また、本著の副題にもある”エピジェネティック”という概念も、私の遺伝子への理解を一歩進めてくれました。Wikiによると

エピジェネティクス英語epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である

となっています(やっぱり難しい)。

こちらの記事が、大分わかりやすいです。

「エピジェネティクス」とは何か 食事や環境が遺伝子を変える!?

http://bunshun.jp/articles/-/2750

”遺伝子修飾”という言葉は、確かによく聞くような気がします。そのあたりの分野の学問がエピジェネティクスということですね。

親から受け継いだ遺伝子は”不変”のものではなく、食生活や運動、ストレスなどにより、働き方(DNAの発現具合)が変わるのだそうです。しかも、本人だけでなく数世代に渡る変化の場合もあるのだとか。これは非常に興味深く、本著のなかで、難解な文章ながらも、様々な事例とともに、手を替え品を替え解説してくれたからこそ、なんとかイメージすることができたような気がします。

とにかく、「この話題を書きたいんだ!」という著者の熱意が隅々まで溢れていて、好感度は大。

専門用語に悪戦苦闘、たぶん2割もわかってないながらも、意地で読了いたしました!

 

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