書評「ブランド戦略論」田中洋 その②

「ブランド戦略論」その②では、

第3章 イノベーションとブランド

で解説されている”ブランド力を行使すべきか判断する3つの要因”について整理してみます。

ブランド戦略論

ブランドが必要となる要因① 商品の性質

本書では、商品を大きく3つに分けています。

  1. 探索財 生鮮食品など、消費者がある程度品質を購入以前に見分けられる財。
  2. 消費財 食品、薬品、家庭用品など包装され、品質が確認できない商品
  3. 信頼財 美術品や高級車、またはコンサルティングサービスなどの高度なサービスといった、購入後でも品質を見分けることが難しい商品。

このうち、②③には消費者が購入を判断する要因として、ブランド力が必要です。

ブランドが必要となる要因② 販売戦略

商品の質以外に、その企業がどのような売り方を選んでいるかという=マーケティング戦略によっても、ブランド力の必要性は変わります。

  • プッシュ戦略
  • 販売機関との交渉を重視するなど、流通対策が主な戦略(例:無名だが日本第2位の売上のコンタクトブランド「クーパービジョン」)
  • プル戦略

店頭に消費者を呼び込む(プル=引っ張る)戦略

ブランド力が必要となるのは、プル戦略の方。消費者が「欲しい!」と思う状態を作り出さなければなりません。

ブランドが必要となる要因③ 市場の構造

そして、もう一つ、自由な競争がある市場でのみ、ブランド力が意味をなします。国家の配給制度に組みこれたり、独占権がある、または財閥グループ内などのクローズな取引、といった場合はブランド力は不要です。

つまり、ブランドが力を発揮するのは、顧客が選択の自由をもっているが、品質を判断する手段が少ない場合、と理解できます。まだ寡占的ブランドが成長していない市場でのイノベーティブな商品であるならば、”ブランド化”に迷わず全力投入するべきであり、そうでなければ、他に優先する経営課題に取り組むべきです。

精読すれば、きりのない本著ですので、その③にて、

第4章 ブランド史の構造

にて解説されている「マーケティングの民主化」というキーワードについて整理して、一旦終わりにしたい、と思っております!どんなスモールビジネスでも、PR視点が必要になった現在の状況を、端的に表しているキーワードです!



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