書評「魔法使いハウルと火の魔法」

英国ファンタジーの王道!

「ナルニア国物語」シリーズに夢中になった少女時代に戻り、久々の英国ファンタジー作品を読了しました。

ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (徳間文庫)

帽子屋の3姉妹の長女ソフィーは、「長女はなにをやってもうまくいかない」という言葉にとらわれ、いつも控えめに暮らしていましたが、ある日、荒れ地の魔女の呪いで90歳の老婆に変えられてしまいます。年老いた体を引きずって町を出たソフィーは、目の前に現れた”動く城”になんとか入り込み、若い娘の魂を奪うという噂の青年魔法使いハウルに出会い、、、という魔法の世界の冒険ファンタジーです。いわずとしれたジブリ映画の原作ですね。

本著はまさに、私が子どもの頃夢中になったイギリスのファンタジーそのまま!想像力豊かな作者の導きで、異世界に没入し、登場人物たちと一緒に冒険するという、読書の原点ともいえる楽しさに溢れています。

日常生活に魔法が自然に存在するインガリー国の描写をはじめ、魅力的で個性的な、たくさんの登場人物たち、様々な謎解きや息をつかせぬストーリー展開など、ファンタジーに求める全ての要素がたっぷりつまった面白さで、思わず一気読みでした。

映画「ハウルの動く城」は原作に忠実か??

元はといえば、金曜ロードショーで久々に見た「ハウルの動く城」が、やっぱり最高に胸キュンだったので、原作のハウルのイケメンぶりも、ぜひ確認したくなったのですが、原作と映画の楽しみ方は全く別物でした。

もちろん、細かいところはさておき、あらすじや世界観、登場人物たちはほぼ原作を踏襲してはいますが、あの映画は、いわば

宮崎駿監督によりファンフィクション、それも原作準拠でハウソフCPの2次創作

だと思います。だって、映画のハウルはイケメンがすぎるし、ソフィーとの絡みシーン全てがなんだかんだとロマンチックすぎるんです。こんな「ハウルの動く城」だったら素敵だろうな=観客ももっと喜ぶだろうな、という変換が、かなり大胆に行われています。

映画「ハウルの動く城」の楽しみ方は、伏線や謎解きなんか気にせず、ただただハウルのキュートな美形魔法使いぶりと、キムタク最高の仕事ぶりを愛でればよい、と再認識しました。それだけで国宝級、かなり大好きです。

ちなみに、放送後にツイッターで”冒頭でハウルとソフィーが出会うシーンで「やあ、ごめんごめん。探したよ」と言いながらハウルの指輪が光ってるのは、子どもの頃から、ずっとソフィーを探してたからだ!”説を読んだのですが、原作には、そんなエピソードはかけらもありませんでした(もしかしたら続編や続々編に登場するのかな…)

追記:「なぜイギリスはファンタジー作品の宝庫なのか」を丁寧に分析した参考文献がありましたので、リンクしておきます。本著にも言及されていますが、イギリスでのファンタジーの歴史と自体背景、文化や風土との関連性などを総合的に論じており、非常に興味深いです。

現代英国ファンタジーとその背景

 

 

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