とにかく言葉が強い。一つ一つが突き刺さる。
死ぬこと以外かすり傷 [ 箕輪厚介 ](楽天ブックス)
熱狂しろ、攻めろ、誰よりも動け、走り抜け、予定調和や利害損得を破壊して、己の偏愛のために狂え、と、とにかく勇ましい、サラリーマン的革命論。
メディアやSNSを通した彼の印象そのままの文章。遠巻きに見ている時よりも、1冊読んだ後には、すっかりファンになってしまうような、人たらしなところも魅力。
とにかく、本をヒットさせるために、あらゆる手を冷静にやりつくす姿も含め、現在の手の内は全部明かしてくれたのが本著です。”おわりに”には、本にした時点で既に”腐り始めている”から、これからは全く違うことをやる!と書いてあり、そんなところも何もかも興味を喚起し続けるのが上手い!目が離せない、離してはいけない方ですね。
自身の仕事である編集者については、最強説を唱えています。とてもわかりやすく引用したくなるのですが、これも著者のブランディングの術中にまんまと放っている感あり、、、!
編集者は最強だと感じる3つの理由がある。
1つ目は「才能カクテルが飲み放題」だから。
2つ目は、「ストーリーを作れる」ということ。
(略)いまの時代、商品の機能や価格は大体似たり寄ったりだ。
これからは、その商品にどんなストーリーを乗っけるかが重要になる。
(略)実はそれは、編集者の一番得意なことなのだ。
これからはあらゆる業界で、ストーリーを作る編集者の能力がいきてくる。
そして3つ目は「人の感情に対する嗅覚を磨ける」ということ。
「世の中の人が日々、何に涙し、何に悩み、何に歓喜しているのか」が肌感覚で分からなければ、売れる本なんて作れない。
さて、本著は、後輩ワーママとのクリスマスパーティの”プレゼン本交換会”用に購入しました。ワーママというのは、自分以外の制約が多く、非常に無理しにくい身分です。
私自身も、ストレングス・ファインダー的な「そこは私の強みじゃないから、無理して突っ込まない」という身の処し方が、すっかり身につき、それゆえに非常に快適な環境を築けているのですが、本著はそれと対極、修羅場に突っ込む「ヒリヒリ」感が溢れています。
死ぬほど仕事する無鉄砲さは、なかなか”幸せ”とは両立し得ないのは間違いない。でも、自分の強み分野だけは、熱量高くテンション上げて「やります」「いきます」と突き抜けていこうぜ!というメッセージを込めて、後輩ママたちに本著を贈りたいと思います。
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