元○○にも賞味期限はあるが、スタバはまだまだ大丈夫そう「ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得」

「スターバックス」元CEOの著作ということで、ブランド成立の内幕を期待して読んだのですが、セルフブランディングの本でした。副題に確かにそう書いてあったのに、私。。。

ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得

”ミッションとブランドは表裏の関係である”

予測に反したテーマでしたが、本著のセルフブランディングは、奇を衒うところは一切ない、誠実な好感の持てる内容です。こんなリーダーのいる組織で働きたい!と私たちに思わせてくれ、企業の良心を感じました。

人助けをしたい、世の中をよくしたい、というように自分自身が働く理由を掲げ「ミッションを作り」、それを世の中に発信して認知されていく(ブランド)化していく。

著者はスターバックスのCEOを辞め、現在は、「世の中をよくする企業」を育てるためリーダーや経営者へのリーダーシップコンサルティングを通して行っている方です。

数年前の”自己啓発本”と相対すると

本著の出版は2013年。”自己啓発本”(揶揄してる感あり、あまり好きな言葉ではありませんが)は、同時期の世相やベストセラー本の影響が入り混じっており、数年前の本でも、私たちは”古い!”と感じてしまいます。

ですが、本著は、今読んでもそれほど古さを感じませんでした。著者の経験の核となっているのが、「スターバックス」「ボディショップ」という現在も著名なブランドである2社であることも、その理由の一つだと思います。

本著の意図として、ズバリ、こんなことが書かれていました。

本書はシンプルに言えば、「スターバックスのような、個性的で、愛され続ける人になる」になるための指南書です。

そう思うと、ここ何年も、ブランド論の教科書的存在となっている「スターバックス」は、改めて素晴らしい存在ですね!

自己啓発本という研究ジャンル

今回、本著について考えるあたり、自己啓発本というのは、出版された時の状況とセットで考えるしかないと改めて実感したのですが、それについて研究されている方がいたので、あわせてご紹介します。自己啓発本の分析など、様々な執筆をされている牧野智和氏(大妻女性大学 人生関係学部准教授)です。

<著書>

自己啓発の時代: 「自己」の文化社会学的探究(amazon)

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ(amazon)

下記の2017年記事も、自己啓発書について簡潔にまとめられており、「まさにそうだな〜!」と膝を打ちました。

プレジデント・オンライン「カーネギー本が愛される理由」

自分ではすでに何となくそうだと思っていることを、誰かの後押しによって確証してもらう外部承認装置、それが自己啓発書の今日における役割であり、それを最もよく果たしうるのがカーネギーをはじめとする「古典」なのではないだろうか。

売れ筋のニッチを求め、またニッチに対しては「王道」が再度張り返され、自己啓発書は日々書店に並び続けている。

本著の出版年である2013年にも「変質したセルフブランディング」として、セルフブランディング 本の出版が増加する状況について考察していました。

自己啓発書の基本原理は、(〜略〜)「心」を重視するというものです。しかし、それに対する差別化が行われてソーシャルメディア上の「つながり」を重視する2010年以後のブランド論が台頭し、さらにそれに対する批判を行う『大富豪アニキの教え』のような著作が別様の「つながり」観を主張します。あるいは地道な仕事への取り組みや、もともとの能力向上が重要だという主張も生まれ、ともするとやはり「心」が重要だという主張がもう一度なされる、等々。このようにして、(〜略〜)次々と「これまでにない啓発書が出た!」と喧伝されるサイクルは続いていくのではないでしょうか。

上記記事の初回記事は「変質したセルフブランディング -1-」へ

 

最後に、私の過去投稿より、セルフブランディング関連本を抜粋。なんだかんだいって結構読んでますね、、、

オリラジあっちゃんの絶え間ないセルフマーケティング「僕たちはどう伝えるか」

ブランド嫌いのための自分ブランディング本「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている」

2018年らしいセルフブランディング本「LIFE STYLE DESIGN」

和田裕美さんの著書も結局は自分を変えるためのセルフブランディング「YESの9割はフロントトークで決まる!」

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ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築 [ 岩田松雄 ](楽天ブックス)

 

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